農業農村整備

概要

農業農村整備とは、農業生産の基盤と農村の生活環境の整備を通じて「農業の持続的発展」「農村の振興」「食料の安定供給」「多面的機能の発揮」の実現を図るための施策です。
当社では、農業農村整備を支援するため、農業生産の基盤となるかんがい排水施設の調査・計画・設計、農業用水利施設のストックマネジメントや耐震対策、環境保全計画の作成や環境配慮施設に係る調査・計画・設計に取り組んでいます。

かんがい排水施設の調査・計画・設計

農業生産においては、農業用水を安定的に確保し、農地へ適切に供給するとともに、農地からの排水や雨水を適切かつ安全に排水することが必要です。当社では、これら農業生産の基盤となる、頭首工、用排水機場、幹線用排水路などのかんがい排水施設の調査・計画・設計を行っています。
特に近年の気候変動リスクを踏まえて、農業用排水施設の洪水被害防止対策や、農業用ダムの洪水調節機能強化などの流域治水対策にも取り組んでいます。

農業用水利施設のストックマネジメントと耐震対策

既存の農業用水利施設を長期間にわたって効果的に使用し続けるためには、施設の劣化や機能低下などの状況を診断・評価し、必要に応じて補修・補強工事を実施することで、施設の機能保全や長寿命化を図ることができます。さらに東日本大震災のような地震対策として施設の耐震化を進める必要があります。当社では、農業用水利施設における既存ストックの有効活用や長寿命化ならびに施設の耐震化に資するための調査・計画・設計を実施しています。また、農地海岸の保全対策の検討にも取り組んでいます。

環境保全計画の作成および環境配慮施設に係る調査・計画・設計

農業農村整備事業の実施にあたっては、環境との調和への配慮が必要であり、全ての事業で環境配慮計画の作成が求められています。当社では、生物多様性への配慮や、生物生息環境・生態系の保全、生物の移動ルートなどの行動圏に着目した対策の検討、景観配慮などの様々な視点から調査を行い、環境保全計画の策定や環境配慮施設の設計を行います。また近年では、気候変動が農業農村整備事業に与える影響の検討や、外来種・鳥獣害対策の検討、新しい調査手法である環境DNAの調査指針の検討、生態系サービスによる評価など、新たな課題に対しても対応しています。