【新聞記事】いであ/VRで河川災害可視化、市民の防災意識啓発
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いであはデジタル空間に災害時の河川や、過去の河川の様子などを再現する技術として「河川メタバース」と「河川VRタイムマシーン」を開発した。VR(仮想現実)を使って水害などをリアルに表現。インフラ整備計画の検討を後押ししたり、住民説明の場などで市民の防災意識の向上につなげたりする。
河川メタバース(3D仮想空間)はゲームエンジンを活用して、浸水が発生した河川や、生物多様性の観点から理想的な河川の環境などをリアルに表現する。従来の紙のハザードマップと比べ河川の状況を直感的に捉えられるのが特長。メタバースの中では水中に入ったり、河川を上空から俯瞰(ふかん)したりと自由な動きが可能。形状や流量、流速を変化させることもでき、さまざまな条件下の河川を再現できる。
既に実用化しており、関係機関や発注者との合意形成のための打ち合わせや説明会などに活用している。ゲームエンジンを使うことで河川のほかに地震や津波、大規模火災といったさまざまな災害も再現できる。
河川VRタイムマシーンは、ドローンで撮影した360度カメラの映像を基に過去の河川やその周辺環境を再現した。さらに河川の状況を経年比較でき、タイムマシーンのように過去にさかのぼることも可能。これにより出水で洗い掘りされた箇所や堆積が進んだ箇所などが確認でき、災害が発生するメカニズムやその後の変化を理解できる。河川管理者を対象に提供を開始している。
河川管理の分野でドローンの活用が進んでいる。特に水害時の被災状況調査では、人力での調査と比較して短時間で安全に広範囲な調査が可能なため、ドローンによるインフラの写真や動画の撮影が広がっている。ドローンでは360度写真が手軽に撮影できるため、定期的な定点撮影によって経年のデータを集められるようになっている。