「沖縄支社・亜熱帯環境研究所パンフレット」発刊のお知らせ
- 会社情報
日本の最南端である沖縄県は亜熱帯地域に位置して生物多様性に富み、島しょをとりまく海域に発達するサンゴ礁や、沖縄島北部のやんばる地域、西表島に代表される亜熱帯林は、固有種・希少種の宝庫となっています。
当社は、沖縄の本土復帰以降(1972年~)、社会基盤整備に伴う環境アセスメントや環境保全に関する業務を数多く手掛けてきました。1998年には沖縄支店(現 沖縄支社)を開設し、生物飼育実験や化学分析関連の施設を整備しました。この間、沖縄では開発・整備が進められ、海域の干潟・藻場・サンゴ礁や陸域の河川・森林において、希少生物の保全や生物生息場への影響軽減が重要な課題となりました。一方で、地球温暖化に伴う海水温の上昇によるサンゴの白化や死滅、移入種の生息域拡大による希少な固有種・在来種の絶滅危機が社会問題化し、さまざまな対策・研究が行われるようになりました。
そのような中、沖縄の優れた環境や生態系の保全、希少生物生息場の再生のためには、当社はより現場に即した実験・研究に取り組める施設が必要であると考え、2010年に亜熱帯環境研究所を開設し、2011年に稼働を開始しました。適地検討にあたっては、海域生物の飼育試験に必要な海水取水や周辺の自然環境条件を考慮し、複数の候補地から沖縄島北部西海岸に位置する屋我地島を選定しました。亜熱帯環境研究所では、海洋生態系の中で重要な役割を担っているサンゴ礁および海草藻場などのブルーカーボン生態系の保全・再生技術の確立、水産資源の回復技術やCO2排出削減に資するバイオ燃料・バイオ素材等の研究・開発を行っています。
今後も国が掲げる「2050年カーボンニュートラル」の実現に貢献し、持続可能な社会の形成をめざしてグリーンインフラを推進することで社会課題の解決に取り組んでまいります。