【新聞記事】2020年新春TOPインタビュー いであ 田畑彰久社長
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2019年12月期通期の業績予想を昨年11月に上方修正。第4次中期経営計画の初年度にして最終21年の売上高と営業利益率などの目標を達成する見込みだ。「社員一人ひとりが原価削減の意識を持って周囲とコミュニケーションを密にしてミスや手戻りを防ぎ、働き方改革・生産性の向上に取り組んだ」成果であり、今後「RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)やAI(人工知能)など各種ツールを使って業務の効率化を図る検討も進めている」とさらなる高みを目指す。
防災・減災対策や国土強靱化などに公共事業予算が重点配分される中で「最終的な受注残高と市場環境を勘案すると20年12月期も順調に推移するのではないか」と見通しつつ、「引き続き市場創生や新規事業の展開と技術開発、そして人材確保・育成に注力していく」との考えを示す。
この1年の成果として、「建設コンサルタント部門はCIMやAIを活用した河川構造物や道路構造物の計画・設計業務など。環境コンサルタント部門では環境DNAやマイクロプラスチック、海洋資源開発、地域循環共生圏といった今後のキーワードとなる先進的な業務に関わることができた」と強調。今後さらに「SDGs関連の業務、気候変動対策、生物多様性の保全や気候変動を踏まえた施設計画の見直し、インフラ老朽化にもしっかり対応していきたい」と意気込む。
その推進エンジンが昨年4月に設置した事業開発本部とインフラメンテナンス技術センターだ。社長直轄組織に格上げしたAI総合推進室と3チームに拡充したCIMセンターの活動の拡大と深化にも期待を込める。
働き方改革では「在宅勤務制度の試行運用」のほか、総労働時間の削減に伴い「成果主義による評価の導入や負担のかかるライン管理職の待遇改善」などを推進。生産性向上では喫緊の課題となっているミス・瑕疵や手戻り防止のために「総括品質照査室」を立ち上げた。人材確保でもきめ細かいリクルート活動とともに「最終的には会社の魅力を高めることに尽きる。そのためには情報発信も重要」とホームページの充実も図る。
先端技術の利活用拡大へ「大学院入学や社内研修などAI人材を確実に増やしていく取り組み」にも注力する一方で「従来の事業領域にこそ成長の基盤がある」とも。「常に一歩先を見る努力と開拓者精神で技術開発を行ってきた企業文化を今後も継承し社会的課題を解決していく」ことに意を注ぐ。