【新聞記事】いであ/水害対策技術を強化/砂防ダム構造検討/3D流体解析で支援
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いであが、急峻(きゅうしゅん)な地形を流れる河川をターゲットにした水害対策技術の強化に乗り出した。水理模型を使用した従来手法よりも分析効率が良い3D流体解析と、低コストな地形模型を組み合わせた解析手法を開発。下流部に配置する砂防ダムの構造検討に役立てるという。今後は周辺環境に影響が少なく、経済的な砂防ダム整備の提案につなげる考え。
同社は四国エリア内の山間地で砂防ダムの水利検討を実施。調査対象の河川は流速を緩和する一環で、下流側の河川に「ため池」を設置する予定だった。ため池の設置効果などを検証するため、水路模型を使用した解析手法よりも効率の良い3D流体解析を採用。地形模型(125分の1サイズ)も併用して検証を行った。
水理検討の結果、ため池を設置してもコストの増加に結びつくだけでなく、想定した効果が得られないという結果が判明。同社は「河川の増水を防ぐには砂防ダムの構造が重要」(中国支店河川水工部)と結論づけた。今回の検証結果を踏まえ、同社は砂防ダムの放水路(水通し)や側壁の形状などの検討に役立てる。今後は「V字谷」などの地形を対象に、解析技術を提案する考えだ。
急峻な地形を流れる河川は、下流に従い粒径の細かい砂利などが河床に堆積する。局地豪雨が発生した場合は上流とほぼ同量の水が下流域に流れるため、付近に立つ発電施設や橋梁に水圧が加わるなど悪影響を及ぼすとされる。