【新聞記事】航空機で海鳥分布把握/洋上風力関連受注増狙う
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いであが洋上風力発電関連業務の受注拡大を狙い、調査技術の開発を加速している。発電用の風車に海鳥が衝突する「バードストライク」の回避に向け、航空機で鳥類の分布をモニタリングする技術を開発。衛星利用測位システム(GPS)で記録し、海鳥の種類や個体数密度などを算出する。日本近海に生息する海鳥の分布状況が簡単に把握でき、同社は発電施設の建設・運営に役立てる考え。
海鳥のモニタリングは、自社保有の航空機を使用して行う。航空機の飛行位置を起点に10キロメートル四方を調査エリアに設定し、GPSで海鳥の位置をデータ化する。調査エリア内ごとに確認した鳥類の種別や個体数密度などを評価する。
2018年8月~20年1月に現地調査を実施し、上空150メートル(時速185キロ)の位置から鳥類を観察。カモ科やカイツブリ科など53種の海鳥(29万5091羽)を確認した。ハイイロウミツバメといった小型の海鳥も識別できた。十勝沖や鹿島~千葉沖などに多く分布している一方、紀伊半島~四国沖の海域は年間を通じて個体数密度が低い点も分かった。
環境省は鳥類への影響が懸念される区域を示した「センシティビティマップ」を作成し、プロジェクトを後押ししている。だが同マップに使用している鳥類の分布データは断片的で、日本近海を網羅したデータが求められていた。同社は需要が増している洋上風力発電事業をターゲットに、関連業務で受注を積み上げる方針だ。