【新聞記事】分析技術を深化/研究所に新棟建設
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いであの田畑彰久社長は25日に東京都内で開いた2020年12月期の決算説明会で、今後の経営戦略を明らかにした。河川や土壌に生息する動植物の種類を把握できる環境DNAの分析技術を深化。静岡県焼津市の環境創造研究所に専用実験室を増設したり、新研究棟を建設したりして幅広い分析ニーズに対応できるようにする。22年度末の完成を予定する。
事業収益の多様化を目指し、同社は▽防災・減災対策▽海洋調査分野での新技術開発▽環境DNA技術の展開-などを推進。池や河川に生息する生物量の把握に向け、環境、農林水産の両省などが業務発注する調査マニュアルの作成に力を入れている。
田畑社長は、分析性能のさらなる向上を狙い「環境創造研究所に専用実験室を増設する」とコメント。今後見込まれる分析検体数の増加に対応していく考えを示した。同席した田畑日出男代表取締役会長も「幅広い分析ニーズに対応するには、現有設備だけで新たな技術開発ができない」と指摘。同研究所に新研究棟を建設する方針を明かした。建設費や施設規模は未定だが、22年度末の完成を目指す。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受け、同社は生命科学分野で新規市場の開拓も進める。医療機関と連携して取り組んでいるPCR検査業務で培った知見を生かし、ウイルスを不活化する装置の製品化に乗り出す。年内には「市場投入したい」(田畑会長)考えだ。
23年12月期に連結売上高200億円を目標とする第4次中期経営計画の進捗(しんちょく)状況なども説明した。20年12月期に最終年度の業績目標を前倒しで達成したため、同社は23年12月期までの目標売上高を208億円に上方修正。4月にプロジェクトチームを立ち上げた上で、次期計画の方針を検討する方針だ。