【新聞記事】いであ/維持管理/河川CIMで効率化/2D図面を3Dに統合
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いであは、河道の堆積土砂や樹木の植生状況などを3D化する「河川CIM」を使い、維持管理を効率化する手法を確立した。河道変化や樹木消長を、CIMモデルとなるオブジェクト(属性情報)に変換。立体的に表現した3D地形に統合する。河川環境を示した2D図面も3Dデータに統合できるため、関係者間の合意形成が容易に行える。維持管理手法を高度化し、関連業務の品質向上に努める。
河川CIMは、航空レーザーやUAV(無人航空機)などを使用して得た測量データを3Dモデルに落とし込む。河道の経年変化や沿岸の植生を可視化する。洪水時に堤防決壊の目安となる「堤防防護ライン」も情報に統合し、河川の状況を客観的に把握できる。
河川を管理する上で欠かせない河川環境も3Dデータに投影できるようにした。同社は一定距離ごとに2Dの河川環境図を3D地形に自動で生成。多大な労力と時間が必要だった河川環境の3D化を可能にした。
作製した3Dモデルは点群データに変換した後、水理解析モデルにする。水理解析モデルをベースに維持管理手法を検討する。情報共有が難しかった合意形成の効率化も期待できる。
従来手法では定期的な測量や目視点検で河道、樹木群の変化を把握していた。河川管理基準に照らし合わせて対策内容を決めていたが、左右両岸を一定の距離で結んで測量すると局所的な変化しか捕捉できなかった。目視点検も河川延長が長距離である程、多くの労力が必要だった。同社は社内横断組織として設置した「CIMセンター」を通じて河川の維持管理を高度化する技術開発に注力する。