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2020年 ニュースリリース

 サービス・技術 (建設通信新聞 3面)

AIでダム操作支援/放流量を高精度予測

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いであは、気候変動に伴い豪雨被害が激甚化・頻発化する中、AI(人工知能)を活用したダム放流操作支援システムを開発した。ダム操作の判断材料となるデータと、ダム放流量の実績データから学習データを作成し、浅層型のニューラルネットワークモデルによってダム放流量を予測可能とするもので、北上川水系の4つのダムを対象に研究した結果、経験済みの洪水パターンでは高い精度を確認できたとしている。政府が6月から治水目的がない利水ダムでも緊急時には治水対応ができる統一運用をスタート。2020年7月豪雨では実際に利水ダムでの事前放流が数多く実施されるなど、従前以上に機能を最大限に活用した柔軟で効率的な操作が求められている中で、操作員の判断を支援する有用なシステムとして活用を働き掛けていく。

研究対象としたのは北上川上流5大ダムのうち、四十四田ダム、御所ダム、田瀬ダム、湯田ダムの4ダム。胆沢ダムはゲート操作ができない穴あきダムのため対象外とした。これまでに複数のダム操作支援システムを構築した経験から、13年から17年のデータを学習データとして選定。データ種別は、ダム流入量(実績)と同(予測)、ダム貯水位(実績)、ダム放流量(実績)、ダム下流の水位(実績)、現時刻の洪水発生時期とし、データ範囲は実績値がすべて12時間前から現時刻、予測値は現時刻から24時間先とした。学習方法は一般的なニューラルネットワークモデルとし、階層型ニューラルネットワークと重みの修正(誤差逆伝播法)にはシグモイド関数を採用。中間層は10層とし、学習回数は1万回とした。

18年5月に発生した、流入量が毎秒700m3を超える融雪期の洪水実績値と、浅層型ニューラルネットワークによる放流量の予測値を重ねた結果、1-3時間先までの平均流量誤差は、四十四田ダムで19-32m3、田瀬ダムが6-12m3、湯田ダムは28-42m3となり、50-61m3だった御所ダムを除いておおむね精度が高いことが確認できた。御所ダムは検証に用いた洪水と類似の洪水が未学習だったため、精度が低くなったとみている。

これらの結果から、AIによるダム操作支援システムは経験豊かな管理者が実施した理想的な操作とその判断材料をAIに学習させることで、ダム放流量の推奨値を瞬時に示すことができるとしており、これを実装することによって、貯水容量を可能な限り活用しつつ、下流河川の被害を低減する高度化操作のための判断を支援し、より効率的・効果的な操作につながることが期待できるとしている。

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