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2019年 ニュースリリース

 サービス・技術 (毎日新聞 地方版 23面)

ニホンウナギ:牛久沼のウナギ増やそう!八間堰水門に魚道設置

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県竜ケ崎工事事務所が、牛久沼(龍ケ崎市)の八間堰(はちけんぜき)水門に、ニホンウナギの遡上を助ける魚道を設置し、効果を確かめる調査に取り組んでいる。調査は3年目に入り、年度ごとに設置する位置や時期を変えて有効な方法を確認中だ。牛久沼はうな丼の発祥地と伝えられるなどかつてはウナギの名産地だったといい、「魚道が多くのウナギが戻ってくるきっかけになれば」と関係者は期待している。【安味伸一】

同事務所や調査の受託会社「いであ」(横浜市)によると、水門(高さ5.4メートル、幅39メートル)は、1971年に沼から谷田川に流れる水を調節するため建設された。左右に二つの門扉(ゲート)があり、ウナギはゲートが閉じている時は遡上できない。通常は一部が開いてゲート下を水が通っているが、その場合も流れが速すぎるため、遡上は年間数日しか確認されていないという。

牛久沼漁協はウナギの漁獲量が減ったとして魚道の設置を要望してきた。このため同事務所が2017年度から魚道を仮置きし、有効性の調査を始めた。

魚道にはウナギ専用の「イールラダー」と呼ばれるカナダ製魚道を国内で初めて採用。円柱状の突起が多数あるのが特徴で、ウナギは突起に体を絡めることで流れに負けずに上がっていけるという。

17年度の調査では8~10月に魚道をゲートと直角に取り付けたが、上ったウナギはゼロだった。18年度は時期を6~9月に変えて設置し、13匹を確認した。

さらに今年度は設置場所を変更し、ゲート表面に魚道(長さ7メートル)の側面をくっつける方法を試みている。5月末に取り付け後、今月上旬までに2匹の遡上が確認され、出だしは上々。調査は11月まで続ける予定だ。

同事務所の佐藤之彦次長は「魚道の効果が認められれば漁協などと協議して、通年で設置できるかどうかを見極めたい」と話している。

〔ウナギと牛久沼〕
ニホンウナギの卵は太平洋でふ化し、成長した稚魚が河川や湖に遡上。5~10年を過ごした後、産卵のため海に下る。牛久沼への遡上ルートは太平洋→利根川→小貝川→谷田川。環境省レッドリストでは、近い将来に野生での絶滅の危険性が高い絶滅危惧1B類に分類されている。牛久沼は全域(3.5平方キロ)が龍ケ崎市域。河川管理上は谷田川の一部になっており、県が管理している。

〔写真説明:PDF参照〕

  • ウナギ専用魚道。円筒状の突起物が多数固定され、ウナギが身をすりつけやすい仕掛けだ
  • 八間堰水門に取り付けた魚道(右下のスロープ)。魚道につながった網を引き揚げ、ウナギの有無を確かめている=いずれも龍ケ崎市佐貫町で
  • 八間堰水門の魚道を上って網で採捕されたウナギ=県竜ケ崎工事事務所提供
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