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技術資料

微小粒子状物質(PM2.5)の測定と解析

自動測定機による連続観測・成分分析、発生源解析等をサポートします。
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2009年9月に微小粒子状物質(PM2.5)の環境基準が告示されました。

また、2010年10月に質量濃度測定法と等価性があると評価された自動測定機が数機種認定され、今後、微小粒子状物質(PM2.5)の測定が本格化することが予想されます。

微小粒子状物質(PM2.5)とは

PM2.5は空気中に存在するおおむね直径2.5μm*以下の微小粒子です。その発生源として、工場や自動車の排出ガスのほか、自然由来のもの、大気中の有機化合物や窒素酸化物等のガス成分が化学反応を起こして二次的に生成するものなどが考えられていますが、実態は解明されていません。

PM2.5は微小粒子であるため、呼吸により肺の深部に到達し、肺胞など気道の奥に沈着しやすい性質があります。そのため、ぜんそくや気管支炎などの呼吸器疾患や循環器系への影響が懸念されることから、大気中の汚染実態の把握が急務とされています。

(*:μmは10-6m(1mmの1/1000))

微小粒子状物質の環境基準

微小粒子状物質による大気汚染に係る環境基準は下表のとおりです。
それによると、測定方法は以下の2通りと定められています。

  • 濾過捕集による質量濃度測定方法
  • この方法によって測定された質量濃度と等価な値が得られると認められる自動測定機による方法
微小粒子状物質による大気の汚染に係る環境基準(平成21年9月9日 環告33)
物質 環境上の条件 測定方法
微小粒子状物質 1年平均値が15μg/m3以下であり、かつ、1日平均値が35μg/m3以下であること。 微小粒子状物質による大気の汚染の状況を的確に把握することができると認められる場所において、濾過捕集による質量濃度測定方法又はこの方法によって測定された質量濃度と等価な値が得られると認められる自動測定機による方法
注:これまで大気中の粒子状物質については、SPM(直径10μm以下)について基準が設定されている

現地測定(質量濃度測定と自動測定機)

  • 測定機器

当社では、濾過捕集による質量濃度測定方法に対応したエアサンプラー、この方法によって測定された質量濃度と等価な値が得られると認められる自動測定機に対応した測定機の両者を所有しており、さまざまな測定のニーズに対応が可能です。

エアサンプラーを用いた質量濃度測定においては、フィルターの秤量による質量濃度の測定に加え、フィルターに濾過捕集された物質を化学分析することにより、大気中微小粒子の成分を明らかにすることが可能です。

成分分析

成分分析の必要性

大気中のPM2.5は、種々の化学成分から構成される混合物であり、発生源は自然由来、人為由来および二次的な生成と多岐にわたります。

PM2.5は、現行の環境基準では質量濃度しか規定がありません。しかしながら、PM2.5に含まれている有害成分による健康影響が危惧されること、組成や由来を把握することが発生源対策に欠かせないことから、成分分析により組成を正確に把握することが、平成22年3月に改正された「大気汚染防止法第22条の規定に基づく大気の汚染の状況の常時監視に関する事務の処理基準について」(環境省通知)により定められ、必要となっています。

このような状況により平成22年9月には環境省水・大気環境局大気環境課から「微小粒子状物質の成分分析に係る基礎的な情報」についての通知が出されています。

どのような成分の分析が必要か

  • 分析機器

PM2.5の分析は、以下のとおりに大別されます。

  • 質量濃度 :フィルターの秤量
  • 炭素成分 :有機炭素、元素状炭素の分析
  • 金属類 :極微量の金属類の分析(ICP質量分析計、蛍光X線分析)
  • イオン類 :陽イオン、陰イオンの分析
    (有害物ではありませんが、発生源把握の手掛かりになります)
  • その他 :多環芳香族炭化水素(化石燃料の燃焼等に由来する有機汚染物質)、レボグルコサン(植物の燃焼に由来する有機物)、水溶性有機炭素などの分析

主な所有分析機器

  • ICP質量分析計 Agilent社 ICP/MS 7500
  • イオンクロマトグラフ Dionex社 DX-120
  • ガスクロマトグラフ質量分析計 Agilent社 6890GC/5973MSD
  • 高速液体クロマトグラフ質量分析計 Agilent社 HP1100 など

PM2.5に係る発生源解析、大気シミュレーション

当社では、以上の測定・分析とともに、排出ガス調査や、大気シミュレーション、CMB法(化学質量収支法)による解析などPM2.5の発生源寄与や対策効果の検討に係る業務経験を豊富に有しており、PM2.5の対策検討に必要となる、現況把握、発生源寄与率推定、大気シミュレーションによる対策効果の検討などのさまざまなニーズを幅広くサポートします。

主な業務実績

  • 「平成18年度 浮遊粒子状物質成分別環境濃度解析調査」環境省
  • 「平成18-19年度 船舶起源の粒子状物質(PM)の環境影響に係る調査研究」海洋政策研究財団
  • 「平成18年度 微小粒子状物質(PM2.5)実態調査等業務」大阪府
  • 「平成21年度 第二東名高速道路 秦野地区大気質調査検討」中日本高速道路株式会社横浜支社秦野工事事務所
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