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技術資料

魚類飼育試験
(毒性試験,成長試験,魚病試験など)

自社保有の飼育施設において、海水・淡水を問わず、さまざまな魚種・水生生物を用いた
各種飼育試験を実施し、データの収集、解析、評価等を行います。

当社における分析・試験の拠点である環境創造研究所(静岡県)では、民間企業では数少ない自社保有の飼育施設を用いた魚類飼育試験を実施しています。

天然海水および地下水の供給により、海水魚、淡水魚を問わず飼育することが可能で、ブリ、マダイ、ヒラメ、ニジマス、アユ等の水産有用種をはじめ、さまざまな魚種・水生生物を用いて、目的に応じた飼育試験を実施し、データ収集から解析・評価に至るまで、一貫した試験体制で対応します。

魚類飼育試験の概要・実績

一概に“魚類の飼育試験”といっても、目的によってその内容や手法は大きく異なり、当社でも、これまでにさまざまな試験を実施しています。また、それらの経験や実績をベースに、新たな分野への対応にも取り組んでいます。

水産動物用医薬品の非臨床試験

  • ブリ

動物用医薬品の開発や申請に必要となる各種試験のうち、水産養殖魚類を用いる非臨床試験を実施します。これまでに、ブリを用いた安全性試験および残留性試験(飼育・採材)などの実績があります。

急性毒性試験

  • マダイ

対象物質を供試魚にばく露し、行動観察やへい死率などから評価を行います。これまでに、魚網防汚剤のマダイにおける急性毒性試験、鉄鋼スラグ製品の海産生物での安全性試験などの実績があります。

成長試験

  • ニジマス

主に養殖用飼料の安全性や効果について、長期間飼育による行動観察や、体長・重量測定等成長に関するデータから総合的に評価を行います。これまでに、ニジマスを用いた水産動物用飼料の安全性評価基準に係る成長試験などの実績があります。また、水温や塩分など、異なる飼育環境における成長比較試験などにも対応できます。

魚病関連試験

  • 施設内水槽

閉鎖系試験施設では、ワクチン開発における攻撃試験、有効性試験など隔離性の必要な魚病関連試験への対応が可能です。本施設専用の排水処理操作により、外部環境への安全性を確保します。

その他の飼育試験

物理的環境要因が魚類等に及ぼす影響について、確認・評価を行います。これまでに、魚類等に対する低酸素や濁水の急性影響試験の実績があります。また、堰など人工構造物の有無による遊泳行動影響評価として、河川降下仔魚(カジカ、アユ等)の落下衝撃試験などの実績があります。

卵・仔稚魚初期飼育技術

飼育手法の一つとして、当社では卵から稚魚に至るまでの飼育の難しい段階における初期飼育技術を蓄積しています。これまでに、飼育中のイシダイ、カサゴ、ヒラメなど水産有用種から自然産卵(仔)により得た卵・仔魚を用いて成魚まで育成を行い、この技術を試験用仔稚魚の飼育や、希少種の増殖技術開発などに応用しています。

これらのほか、さまざまな飼育試験にも柔軟に対応しますので、お気軽にご質問・ご相談ください!

飼育施設のご紹介

魚類の飼育試験が可能な施設として、かけ流し式を主体とした『生物実験棟』、循環式を主体とした『閉鎖系試験施設』を保有しています。

生物実験棟

  • 生物実験棟内部

飼育水として、2種のろ過海水(砂ろ過による一次ろ過、カートリッジフィルターを用いた二次ろ過)および地下水が供給されており、かけ流しによる飼育が可能です。

施設内の配管(飼育水、ブロアー等)はすべて頭上に配置し(右写真上)、パンライト・FRP水槽のほか、組立式の大型円形水槽(3~20t)を使用することでレイアウトフリーの試験スペースを確保し(右写真下)、さまざまなケースへの対応が可能となっています(施設の一部では正確な水温制御が可能)。また、施設内に試験魚の計測、剖検等を行う診断室および被験物質や投与餌料の調整等を行う調餌室等を備え、水産動物用医薬品の非臨床試験などにも対応した施設となっています。

そのほか、長期飼育試験や、かけ流しが必須条件となる試験、大型の供試魚を使用する試験など、多量の飼育水を必要とする試験への対応が可能です。

閉鎖系試験施設

  • 閉鎖系試験施設

ワクチン開発に関わる攻撃試験や有効性試験など、隔離性の必要な飼育試験は、閉鎖系試験施設で実施が可能です。なお、かけ流し式飼育にも対応可能で、試験の内容に適した飼育方法が選択できます。

当施設(総床面積約190m2)は用途別に5つの部屋から構成され、魚類飼育のほか、魚病細菌等病原体の培養・管理も可能です。飼育を行う蓄養室、試験室には、蓋付水槽、紫外線殺菌装置、ろ過槽などで構成された循環式飼育系統をそれぞれ2系統ずつ設置してあります。 系統ごとの加温冷却ユニットにより周年任意の飼育水温を設定でき、異なる環境設定での飼育試験を同時に実施することも可能です。

施設内排水は、いったん当施設専用の排水タンク(6t)に集積された後に外部へ排出されますが、とくに病原体等使用時の排水については、このタンク内で塩素滅菌、中和等の処理を施した後、当研究所内の化学排水処理系へ排出することで周辺環境への安全性を確保します。

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