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技術資料

水道水源の有害化学物質調査分析(ダイオキシン類)

水道水源有害物質の調査から、超微量分析までを徹底した管理のもとに実施します。

サンプリング

水道水源におけるダイオキシン類等の調査は、マニュアル(2007年1月)では、水道原水で200L以上、浄水で2,000L以上が必要とされていますが、これだけの試料水を分析室に運搬することは現実的に不可能です。また、従来のような液/液抽出(環境水の場合20~30L程度を使用)などの方法では、信頼できるデータを得ることは困難です。

当社でのサンプリングは、自社開発した「現場で多量の水を濃縮できる」微量有機化学物質濃縮装置により行います。本装置は、次のような特長を持ち、水中のダイオキシン類等の超微量分析精度を飛躍的に高めます。

  • 密閉系となっているので、試料採取時の汚染を生じない
  • 流量/流速を記録でき、QA/QC(品質保証/品質管理)の上で優位

分析におけるマネジメントシステム

微量分析データに関して、結果の確からしさを得るためには、QA/QC(品質保証/品質管理)のシステムによる精度管理が重要となります。当社では、ISO 9001、ISO 14001に基づいたマネジメントシステムで業務を実施します。さらに、ダイオキシン類やコプラナーPCBについては、種々の媒体(大気、水道水、生物等)の分析を対象に、分析機関の精度管理能力が厳しく要求されるISO/IEC 17025を取得しています。これらの品質保証体制により、調査・分析の信頼性を保証することはもちろん、調査・分析等に伴う種々の環境負荷低減についても配慮します。

分析設備

超微量分析では、他の媒体からの2次汚染や、分析者による個人差に十分注意を払う必要があります。分析設備等の整備や分析の自動化を進め、これらのような問題を解消する取り組みを行っています。

クリーンルームの設置

  • プレフィルター、活性炭フィルター、HEPAフィルターを通して空気が供給される陽圧タイプ(クリーン度:class 1,000~10,000
  • プレフィルター、活性炭フィルター、HEPAフィルターを通して空気が供給される陰圧タイプ
  • プレフィルター、活性炭フィルターを通して空気が供給される陰圧タイプ

これらのクリーンルームにより、2次汚染を防止しています。また、ケミカルハザードの面から、実験室からの排気はいずれのタイプも圧力差を利用して空気の流れを作り、プレフィルター、活性炭フィルターおよびHEPAフィルターを通した後に行われます。これらのクリーンルームは、ダイオキシン類、PCB分析専用としており、水、大気、土壌、血液等の媒体ごとに別々のクリーンルーム内で前処理操作を行っています。

クリーンルーム

分析前処理の自動化システム

従来のダイオキシン類等の分析は、いわゆる手分析でしたが、超微量分析の手分析は温度管理、試料導入等の再現性において多少の個人差が考えられます。当社では、このような問題を低減するため、自動で試料を抽出・濃縮・精製する自動化システムを構築しています。これにより、分析前処理の条件をまったく同一にでき、さらに使用試薬量や各種条件を自動管理できるため、QA/QC(品質保証/品質管理)のうえで優位です。

試料輸送時の管理

試水を現場から分析室に運搬する際の管理が不十分の場合、運搬途中で試水が汚染を受け、微量分析のデータに影響を与えかねません。当社では、サンプルがどのような方法で輸送されたかを所定様式で確実に記録し、品質の信頼性を確保します。

評価サポート

ダイオキシン類は発生源から大気や水等を媒体として環境中を移動しますが、それぞれの媒体にどの程度存在するかを把握することは、移動の過程でそれらが動植物に取り込まれ、最終的には人間に蓄積されるといった生物濃縮、さらにはリスク評価を考えるうえで重要です。当社では、個別の媒体(大気、大気降下物、土壌、食物、人の血液、母乳等)の微量分析から、評価解析までサポートします。また、水生生物の実験施設を有していますので、生物を用いた評価試験も可能です。

ダイオキシン類の環境中における挙動(概念図)
ダイオキシン類の環境中における挙動(概念図)
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